ロティの始まり物語

旅・・・・・
988年2月、私達2人は南米チリのサンチャゴに着きました。ここから7ヶ月の旅の始まりです。
アコンカグア峰(6962M)試登・パタゴニア・ボリビア・ペルーの山々のトレッキング・赤道直下のチンボラッソ峰(6310M)の登頂など、貧乏旅行ながら自由きままな楽しい時の流れに身を置きました。


現地の人々、それに日本からの移住者との数多くの出会いもありました。
そして、厳しい大自然の中で暮らす彼らのひたむきな姿に、心打たれたものです。


出会い・・・・・
お米もおいしく、食に関してはどこでも不自由はしませんでした。
とりわけおいしく感じたのは、市場や街頭で山盛りにして売られていた、パンです。あんまり気に入ってしまい、パン屋を探し当て早朝から、作業の様子を見せてもらったりもしました。

手で生地をこね、、石釜にまきをくべて焼くという、昔ながらの製法にひどく感激したものです。
なんとも懐かしいようなあじの秘密も、バターではなくラードを使っているからと、分かりました。
今思えばこそですが、これが運命の出会いだったのかもしれません。

信州へ・・・・・
帰国した私達は、どうしても都市での生活がなじめず、登山で慣れ親しんだ信州への思いが募りました。
そしてとうとう、犬と猫と大きなおなかを抱えて、縁もゆかりもない長野県の四賀村に移り住む事になりました。1990年5月5日のことです。

醍醐味との出会い・・・・・
さて話は今から20年以上も前にさかのぼります。東京の中央線沿線に
"醍醐味” と言うパン屋がありました。パンにはなりにくいと言われる、国産小麦粉のうまさと安全性に、いち早く注目し、国産小麦粉を使ったパン作りをしておりました。


残念ながらこのパンやは、今はありませんが、 "醍醐味" で学んだパン職人が、各地で小さなパンやを開き "醍醐味" のパンを絶やすことなく作り続けております。
私達は、幸運にもその内の一人のパン職人と巡り会い、 "醍醐味" のパンを学ぶことが出来ました。

国産小麦粉・天塩・洗糖・ラード等を使って焼き上げたパンは、昔どこかで食べたような、懐かしい味がします。

ロティのパン・・・・・
こんな風にして、いろいろな人との出会いと、たくさんの人々の好意で開店する事が出来ました。
開店してからも、四賀の皆さん・お客様・友人・この道の先輩と、本当に多くの方々に支えられて、これまでやってきました。
恩返しは、とにかく "おいしいパンを焼き続ける事" と開き直っています。

夢は、自宅に石釜を作ることですが、夢を実現させるには、やっぱり "おいしいパンを焼き続ける事" しかないようです。                       

                                                                                                                                                                                                                                                                  



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